軽度発達障害児支援現場レポート―実践者のつぶやき―

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help リーダーに追加 RSS それはパニックです。

<<   作成日時 : 2007/09/13 22:35   >>

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 5年くらい前、園や学校などにお伺いし始めた当初は、「軽度発達障害の理解と対応」的なお話をするかたちが多かった研修会も、再訪問、再々・・・訪問が多くなり、初回の「お話」で基本的な知識と対応について先生方と共有したうえで、ケース会議というかたちでかかわることができるようになってきています。


私にとっては喜ばしいことです。
だって、生身のA君について現場でどうするかを考えるのが本職なのですから。そして、今日のA君に、明日からちょっとだけかもしれないけど、違った学校生活が待っている可能性を思うと、特別支援教育の行く末について、ため息交じりの私もちょっぴり元気が出るのです。


 そんなこんなで、学校や園にお伺いしているわけですが、どこへいっても必ず毎回あがってくる子どもの特徴があります。集団の場ですから、周りが「参った〜」と思ってしまう特徴です。


それは、「自分の思うようにいかなかったり、他者から注意を受けたりしたときに暴れる、暴言を吐く」という類のものです。


一般的な視点で見れば、「わがまま」「我慢がたりない」「わざと」と思われるかもしれません。勉強されている先生は、ADHDの衝動性と思っていらっしゃることもあります。ADHDの衝動性については、このように誤解をされることも少なくないので、いつか機会があれば書いてみたいと思います。


 これは、「パニック」です。アスペルガーなどの高機能広汎性発達障害、いわゆる自閉症をもつ子の中に、このような派手な行動に至ってしまう子もいます。そうでない子もいますが。


広汎性発達障害、いわゆる自閉症の特徴として、「情報・刺激の処理の硬直性」があります。だから、子どもによってはなはだしく、またはかすかに思考の柔軟性に困難があるというものです。


今回の例の場合、自分の方向性に横槍が入ったとき、上手にそれに対処するのが難しい。ましてや、「違う」「ダメ」「やめて」など、感情の入りやすい表現で横槍を入れられると、過敏に反応してしまいます。


パニックは、過敏性や思考の柔軟性の困難からくる混乱です。そうは見えないし、本人も気付いていないのですが、突然どん帳が降りてしまったことへの、先の見えない潜在的な不安・恐怖の表れです。



ということは、言って聞かせたり、叱ったり、もう怒らないって約束させたり、目標にさせたりすることが、支援にはなりにくいことがご理解いただけると思います。本人は、うまく情報・刺激の処理ができず、大混乱になっているという彼らの事情がわかれば、このことについて、本人に必要以上の努力を要求するのは酷ですよね。どうするかは、いつか機会があれば。



 残念なことに、高機能広汎性発達障害が見逃され、適切な対応がなされずに二次障害を招くケースがあとを絶ちません。本当の意味での専門医の診断が出る状態像と、教育・心理の場で高機能広汎性発達障害だと思われている状態像に大きな隔たりがあるからです。


自閉症者で翻訳家のニキ・リンコさんの講演会に足を運び、彼女のたたずまい、話す様子を見て、彼女が自閉症であるとは思わない方も多いのではないかと思います。ちなみに、彼女のパニックは目立つタイプのものではなかったようですが。


彼らの自閉症が見逃され、彼らの事情が葬られることのないように、先生方が対応に苦慮されることがないように、お役に立てれば幸いです。



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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして。とても参考になります!
小1の娘がアスペルガーですが、ちょっとした事でパニくったり、暴力が酷くて参っています。
学校では、ひたすら固まっているようですが・・・。
家で例えば、弟が言う通りにしないと突き飛ばす、
書き順の違いを指摘すると、消しゴムを投げる、
など、そんな事ばっかりです。
こちらも、なるべく叱らず、穏やかに指摘しているつもりですが、なかなか改善しません。やっぱり私、怒ってるように感じるのかな。
これって、二次障害ですよね?
とまと
2007/09/15 00:45
参考にしていただき、ありがとうございます。
デリケートな問題なので、個々の状況についての記述は避け、一般論として書かせていただきますと、二次障害は、不登校や引きこもり、虚言、PC依存などなどになるかと思います。長じてパニックが性格のようになるのも二次障害にあたるかもしれません。
また、「叱る」など人為的な強い刺激に限らず、あたりまえに起きたことでも、本人の想定外、受け入れがたいことであればパニックになります。
学校または家庭でのストレスが強ければ、パニックは起きやすくなります。
パニックが起きやすければ、生活のなかでの本人にとっての過剰刺激やストレスを見直す必要があるでしょう。できるだけ想定外のことを減らすように環境を調整し、落ち着いた生活を提供して、地に足をつけてあげることから始めることが大切のように思います。
パニックや二次障害については、機会があればあらためて記事で少し詳しく書けたらよいと思っています。
上原芳枝
2007/09/15 19:44
お返事ありがとうございます。
一学期は時々通学団で登校できていたのが、二学期になって、全く行けなくなりました。送って行くのですが、教室に近づくと、怖い怖い!としがみついてきます。
先生も友達もとても優しくしてくれます。きっと学校自体が大きなストレスなんでしょうね。特に今は毎日のように、運動会の練習もあるし。
家ではテンションが上がってしまっているので、できるだけ落ち着いた生活ができるように、心がけてみます。
とまと
2007/09/15 23:40
学校が怖い子はたくさんいます。いろんなタイプのお子さんがいるので、家ではそうでもないのに、学校だとよからぬことをしてしまう子もたくさんいます。どちらも、学校は環境刺激のハードルが極めて高いからです。
お子さんの事情に歩み寄り、適切な環境を選択することで、彼らは驚くほど伸びるということをいつもみなさんにお伝えしています。
適切な環境・ハードル選択で、お子さんが健やかに成長されることを心より願っております。
上原芳枝
2007/09/16 07:59

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