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専門機関に「つなぐ」のではなく学校に専門性を「入れる」

2007/08/26 23:59
 先日、学校現場と専門性の発揮についてコメントをいただきましたので、予告どおり今回は現場になぜ専門性を入れなければならないかということについて書いてみようと思います。

 学校に行くとかなりの頻度で、「専門機関につなぐにはどうすればいいか」というご質問をいただきます。このご質問には、2つのポイントがありまして、一つは「専門機関につなぐ目的」もう一つは、「保護者の方に特別な支援の必要性を伝えるシステム」です。


今回は、「専門機関につなぐ目的」について。

先生方が専門機関につなごうと思う理由は、たぶん「早く何とかしなければ」という早期対応と、もう一つは、専門機関に行けばもっとずっと集団適応のよい子になって学校にやってくるのでないかということでしょう。



 専門機関というと、大概は医療機関か療育機関を指すでしょう。医療機関の利用の大きな目的は、診断とお薬の処方ですね。具体的な対応の方法についての説明を期待される方もいらっしゃるかと思いますが、よほど臨床経験のある日本で数人のドクターでなければ、この期待には応えてくださらないでしょう。というより、それを期待して医療機関に行くというのは、基本的にはお門違いということになるかもしれません。


医療機関の利用は、診断がでれば思考の整理ができる、または行政的に子どもに必要な支援が得られるといった場合か、適切なお薬の処方があれば、余計な、不適切な言動が減り、子どものもつよさをもっと発揮でき、子どもの心も育つという場合には有効でしょう。


 療育機関が本当の意味で効果を発揮するのは、学校や園など子どもの活動のベースで、本人や周りに大きなストレスがないという状態で、スパイスとしては効果抜群だと思います。しかし、園や学校が全く本人に歩み寄らないで、本人だけに変わってほしいと願い、本人にとって環境が厳しいものであれば、学校や園がのぞむような効果は期待しにくいといえるかもしれません。

療育の場面でよくなったからといって、それがそのまま学校や園で発揮できるかというとそれは難しいことが結構あると思います。なぜなら環境刺激のハードルが学校や園と療育現場では、天と地ほど違うからです。当然学校の方がハードルは高い。

療育従事者としてシビアに療育を見たとき、療育は、療育現場では成果が出て当たり前なのです。だって、園や学校に比べ、少ない頻度、短時間、少人数、専門性を持つ療育者、子どもにあった課題、伸びて当然ですよね。

療育者は自分の手柄のように思ってしまうこともしばしばですが、自分たちには効果が出やすい環境が提供されているという自覚が必要かもしれません。



 学校や園では、広い建物、たくさんの人、たくさんのノイズ、子どもからの刺激、次から次へとこなさなければならない課題などなど、情報処理が難しい彼らに押し寄せます。家では差ほど問題はなく、学校で問題が出てしまうのはこのためであることが多く、先生の対応が悪いからと保護者の方に思わせてしまうことがあるようです。


 さて、保護者の方の意思のもと、専門機関にいけることはのぞましてことですが、環境刺激のハードルの認識があると、保護者の方との軋轢を激化させる可能性をひめながら、今、何が何でも・・・と考えるほど、専門機関の利用はどうしても必要なことか?ということになります。

 
療育で集団適応ができる子になって帰ってくるのを期待するのではなく、学校や園で、周囲の子との兼ね合いも考えながら、その子に合った環境刺激や課題のハードルを提供し、不適切な言動を減らしていくことが得策といえるでしょう。

そのために、外に活路を求めるのではなく、学校の方に専門性を入れて、子どもを伸ばすという点で実績を積んで保護者の方に返してあげましょう。こんな風に対応したら、こんなによさが発揮できましたって感じで。そんなに劇的に変わらないまでも、以前よりこんな風によくなりましたということでいいと思います。


 私がかかわっている知的障害を伴わない軽度発達障害児に関しては、早期対応(トレーニング)ではなく、早期理解(脳機能の視点をふまえた特徴)が有効だということがいえるでしょう。だから、「専門機関につなぐ」ことを必要以上に焦らなくてもよいと思っているわけです。



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